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「敬意を表せる人間に」(元横浜マリノス 岡田監督)

 2006年3月に横浜マリノスが、鹿島アントラーズと対戦した後の監督の話です。

 試合は、マリノスの選手たちの集中力がすばらしく、力の差以上の結果となり3-0でマリノスが勝った。試合終了直後に両ベンチの中央でアウトゥオリ監督と握手した。
 彼は、当然腹の中が煮えくり返るぐらい悔しいはずだが、本当に自然体で笑顔をたたえ、敬意を込め「コングラチュレーション」と言ってくれた。
 その時、私はこの監督の器の大きさを感じたと同時に、前鹿島の監督、トニーニョ・セレーゾのことを思い出した。
 2004年のファーストステージの最終戦、我々はアントラーズに勝って優勝を決めた。
 その翌日、私の自宅にセレーゾから立派な花が届いた。「あなたのプロフェッショナルな仕事に敬意を表します」と書かれていた。花屋さんでもできそうなくらい届いた花の中でも、その花は私にとってはひときわ輝いていた。私はうれしさ、驚きとともに、心の底から「負けた」と思った。
 どんなことをしても勝ちたい試合で、負けた時には許せない悔しさがあったはずだ。しかし、翌日に相手をたたえ、敬意を表せる人間の大きさ、これが本当のスポーツマンシップだろう。自分が逆の立場だったらできただろうか?残念だが、答えはノーであった。
 私も、少々は経験を積んできて、いろいろなことがわかってきたつもりだったが、まだまだのようである。

2006.3.17 かながわスポーツ 「ふっとライフ」より
(ishii morio)
 
by kamonomiyamini | 2012-12-19 23:56 | 他チーム指導者の言葉

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