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「いい負け方と悪い負け方」

 勝負事をしていれば必ず負けることがあります。
 どんなに強いチームでも、全ての試合をものにすることはなかなか出来ません。
 当然、発展途上のチームであれば、いくつものゲームで敗北を喫しながら強くなっていくのが普通です。

 負けには、チームを大きく伸ばす負けと、今後の成長に繋がらない負けがあるのです。この点を理解しておけば、ゲームに臨む心構えも、勝敗が決まったときの姿勢も全く違ったものになるでしょう。

①チームにプランはあったか

 チームには、それぞれの練習があり、それによってチームのカラーが決まります。
 よく走るチームならば速攻が、インサイドの強いチームならセットオフェンスがチームカラーになりやすく、ゲームプランもそれに準じたものになるでしょう。
 チームには自分たちのスタイルがあり、それをもとにどういったゲームをしたいかという方針が決まるはずです。たとえ相手によって自分たちのスタイルを変える必要があったとしても、勝つために必要なゲームプランは試合前に持たなければなりません。
 ここがまず大切なチェックポイントの一つで、漫然とチーム内の5人を選んで、コートに送り出してはいけません。
 なんとなく頑張って戦って、なんとなく負けてしまいましたでは、チームとして成長することは出来ないのです。
 相手チームに対して自分たちはこういったことがしたくて、こういった点は実現できたが、実現できないことも多くあった、では何故実現できなかったのだろうか。そういった反省をすることで、次への成長が見込めるのです。
 ですので、ゲーム前に、こういったバスケットをするという具体的なイメージを膨らませましょう。

②個人に目標はあったか

 試合というのはチームでやるものですので、誰のせいで負けたとか、誰のおかげで勝ったというものはありません。
 影響力の強い選手のプレイが勝敗を分けたように言われることは多いですが、バスケットは本質的にはチーム同士の勝ち負けを競うものです。
 そのため、選手に強い目標意識がなければ、「精一杯やったのに(自分のせいではないが)負けてしまった(仕方ない)」という気持ちになりがちです。自分は20点とったが、インサイドで点を取られすぎたとか、勝負どころであいつがシュートを落としてしまったから、とか。
 こういった単純な印象でゲームの中身をはかるくせがついてしまうと、本来自分の糧になるべき無数の反省点が見落とされることになってしまいます。
 完璧な選手はいませんし、どんな選手にも試合での改善点があるものです。たとえ勝負どころで致命的なミスをした選手がいたとしても、その前にチームメイトが犯した多数のミスがなければ、勝てていたかもしれないのです。
 というわけで、選手たちが具体的に試合の内容を振り返ることが出来るように、目標意識を持っているかどうかをチェックするべきです。
 センターの選手に「あそこでおれが思い切り良く3Pシュートを打っていれば」と考えさせるより、「あと3本リバウンドが取れれば」と思わせるほうが、効果的にチームの力は上がります。
 この目標意識を持たない選手をコートに送り出して敗戦しても、あまり得るものはないでしょう。

③本気でやったか

 あなたのチームより確実に格上で、もし試合をしたらダブルスコアになってしまうであろうチームとやる場合、本気で試合に臨むことができるでしょうか?
 学校生活最後の試合というような特別な思い入れがない限り、まぁやるだけやってみるかという心理になりがちではないでしょうか。おそらく負けるだろうが自分たちの力を思い切りぶつけてみよう程度の心構えでは、勝利はもとより敗北後の成長も望めません。
 何が良くなかったか、どうして出来なかったかを具体的に思い切り知ることが出来るのは、自分たちが本気で勝ちにいった試合だけです。
 本気を出して全力を超えるくらいのプレイを出そうとして、初めて自分と相手の力の差が理解でき、自分の限界がわかるのです。
 それだけではなく、本気でやった選手には思わぬご褒美が待っています。それは自信です。格上に対しても自分はこれだけ出来たという思いを抱けること、どういったプレイが通用したという経験を持つこと。
 これらは、自分の出来るプレイを自分の通用する相手にだけする選手には、絶対に得ることが出来ないものです。
 あなたは自分のプレイのイメージを自分で決め付けてはいけません。自分の中の殻を破るように、格上の相手に対しても堂々とプレイ出来るイメージをもって本気で勇敢にプレイしてください。
 それこそが、強くうまく飛躍していく選手に見られる大きな特徴です。

④原因を振り返ったか

 敗北は成長する絶好の機会です。
 敗北をいいものにするには、具体的で詳細な反省と分析が不可欠です。たとえば、一つひとつのミスにも色々な原因が考えられます。
 パスミスに関して言えば、パスの技量がなかったのか、体力がなくてミスしたのか、コミュニケーションが不足していたのか、視野が狭かったのか、アイディア不足だったのか、などです。
 この原因をしっかりと把握せず、とにかくパスをうまく出せるようになろう、というような抽象的な考えになってしまってはいけません。
 体力をつけるために走り込みをしようだとか、もっと周囲を見ながら練習しようというような、具体的な行動に反映させていくことが大切なのです。ですから試合後は、目標の達成具合とミス、その原因、原因を克服するための具体的な練習方法を確認しましょう。
 コーチは一人ひとりの選手の家庭教師ではありませんし、ミスの原因を真に理解できるのは本人です。
 誰かに頼らずに、自分のために飛躍の機会にしましょう。


「あなたがバスケットボールで全国大会に出られない理由」より
(ishii morio)
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by kamonomiyamini | 2012-12-15 00:45 | 選手、気持ち

指導者がいろいろなコメントや聞いたことを書き込んでいるページです。
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