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「チームメイトと話し合う時のルール」

 バスケットはチームスポーツです。
 コーチの言うことを聞いているだけではなく、ときには自分たちで話し合って問題を解決していかなければなりません。
 これはチーム全体でもそうですし、ガード同士、インサイド同士でもありうることです。お互いの意思疎通を図るためには、ミーティングを含めた話し合う機会がどうしても必要です。
 しかし、この話し合う技術については、なかなか知られていませんし、向上させる機会もありません。それがために、効果的な話し合いが出来ない選手やチームが多いのも事実です。
 そこで、選手が互いにコミュニケーションをとる際の注意点、ルールをまとめてみました。

①意見は最後まで聞く

 まず、誰の発言であっても意見を最後まで聞くという姿勢を持ちましょう。途中でさえぎったり、無視してはいけません。自分の考えを誰にも聞いてもらえないようだと、選手は話し合いをしたがらなくなります。そうなればチームの中で話し合いをする空気がなくなり、大事なときにお互いの考えを言えないチームになってしまいます。
 それぞれのプレイを高めあうせっかくのチャンスを潰してしまうことになりかねないのです。ですから、誰の意見であってもしっかりと聞くべきです(たとえ絶対におかしいと思うような意見でも)。

②提案を否定しない

 次に、他の人の意見を否定しないことです。
 誰にとっても、自分の考えを人に言うのは大変なことです。言葉にしてまとめるのは難しいことでもありますし、否定されたりおかしいと言われるリスクだってあるのです。
 その不安を乗り越えて人は意見するのですから、それを尊重する姿勢を全員が持たなければなりません。
 頭ごなしに否定する空気になってしまうと、その人はもう発言をしたがらなくなるでしょう。そうではなく、例え悪い意見であってもじっくりと話し合って、いい内容の話し合いに変えていくくらいの気構えを持ちましょう。
 「そんなのおかしい」と否定するのではなく「その問題はこういう解決方法があるよね」とか、「こうした方がいいんじゃない」とか。
 話し合いとは発言者の意見をみんなが判定する場面ではなく、問題の内容と解決策についてみんなで共有することなんです。

③実力について言わない

 相手の実力についての発言は最大限に避けましょう。
 具体的には「お前はチームの力になれるレベルじゃない」だとか、「あいつはエースだから」とか言うことです。選手は一人ひとり、勝手にチーム内の実力ランキングを作ってしまいがちですが、そのランキングはあてになりません。
 あなたも「え、何でこいつが」というチームメイトが公式戦で起用されたりするのを見たことがあるはずです。バスケの実力は個人同士の簡単な比較では測れないもので、チーム内でそれを測る資格があるのは、選手起用を決める監督やコーチだけです。
 特に相手の実力を批判するような発言はしてはいけません。
 言っていいのは相手から完全に信頼されているときだけで、そうでなくては相手は自分の気分の悪くなる意見など聞きたくないと思ってしまいます(例え謙虚な選手であっても)。
 話し合いでしていいのは、個々のプレイなどの具体的な問題解決であって、自分のイメージをもとに相手の努力をうながそうとしても失敗します。
 それはコーチの役割なのです。

④言い方を考える

 ものの言い方というのはとても重要です。
 「お前はパスが下手だ」というのと「お前はパスがよくなれば、もっといい選手になれる」というのは、プレイへの指摘は一緒でもまったく意味の違った言葉になります。
 指摘自体が的確でも、それがその選手のやる気をなくさせたり、チーム内での不協和音のタネになるとすれば、その指摘はいらないものです。
 チーム内で話そうとするときは、自分が思っている内容を相手に伝えようとするあまり、相手への気遣いが欠けてしまったりします。
 しかし、そこでお互いにポジティブな空気を作っていくというのも、話し合いの重要な要素です。この点について若い選手は特に苦手ですが、大人の選手たちでもこのような気遣いが欠けていることが多いです。
 チーム全員が相手を尊重しあえば、どんどん活発な意見交換が出来るようになってチームは強くなるはずです。

⑤ポジティブな面をとらえる

 話し合いをし始めると、「出来ないこと」や「ダメなこと」に話がいきがちです。
 どこがダメ、何がダメというところで話しが終わってしまうと、自分たちがダメなところを確認して終わりということになってしまいます。
 プロにだってダメなところはあるのですから、いくら上達しようとダメな点というのは出てきます。それよりも、「じゃあどうしようか」という話をするのが大切なのです。
 「こういうアイディアがあるんじゃないか」とか、「次はこうしたらうまくいきそうだ」ということを共有してください。そうすれば、次の練習や試合のときに、またポジティブな気持ちでバスケットをすることが出来ます。
 悪いところの指摘だけではなく、次回に向けて何をしたらいいかを考えることが、建設的な話し合いというものです。

⑥個人攻撃をしない

 若いチームによくあることですが、誰かを貶めて自尊心を満足させるようなことがあってはいけません。
 複数の選手が同時にプレイするバスケットでは、ミスや問題の原因を特定の選手のせいにするのは、非常に簡単なことです。
 一人の選手のパスミスも、見方を変えれば受けてのキャッチミスになるからです。特定の誰かが何をすればもっとよくなる、という視点から考えてはいけません。
 あくまでも個々のプレイについて、この場面ではこうした方がよかったという話し合いをしましょう。
 それがなければ全てのミスは特定の個人のせいになり、周囲の成長も新しいアイディアもなくなってしまいます。
 俺はよくやっているのにあいつのせいでダメなプレイに、というのは簡単ですし、気持ちいいものです。それを周りも認めてくれれば、チーム内での自分のプライドも保たれるでしょう。
 しかし、そういった選手ばかりになったチームが勝ちあがることはそうそうありません。
 極端なことを言ってしまえば、他の選手を攻撃する選手に「お前がジョーダンくらいうまかったらチームは勝ってる」といえば終わりなのです。
 チームメイトに文句を言ってはいけません。

⑦反映させる

 話し合いで得たものは次回からの練習で必ず反映させましょう。
 例えば練習内容についてチームメイトで話し合ったのなら、コーチに取り入れてもらうように直訴してみましょう。
 自分たちで考えた練習を実践することで、やる気も集中力も上がりますし、意図が完璧にわかっている分、体にも染み込みやすいです。
 また、少ない人数で特定のプレイについて話し合いをしたのなら、次回から必ず出来るように集中しましょう。せっかく問題点がわかっても、克服しないのなら意味がありませんし、それを克服することで話し合いのメリットをお互いに共有でき、また新たな話し合いが出来る空気が生まれるからです。
 この話し合いの反映がなければ、何度話し合ったところで無駄だということになって、チームの力を損なってしまいます。
 ですので話し合いが終わった直後は、この反映させるということを特に意識してください。

 問題について話し合い、自分で考えて、結果が出るというのは、誰にとっても絶対に楽しいはずです。
 この話し合いの技術はチームとして大切なものである以上に、個人のバスケットボールの能力として数えられるものでもあります。
 是非とも話し合いの力を身につけて、バスケット生活を充実したものにしてください。


「あなたがバスケットボールで全国大会に出られない理由」より
(ishii morio)
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by kamonomiyamini | 2012-12-14 01:18 | 選手、気持ち

指導者がいろいろなコメントや聞いたことを書き込んでいるページです。
by kamonomiyamini
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