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「綱引きの原理」

 「和を以て尊しとなす」という聖徳太子の言葉に象徴されるように、日本人はチームワークを大切にします。しかし、チームワークを重視しすぎると依頼心の強い人間をつくってしまいます。
 例として、「綱引きの原理」が上げられます。

 世界各国の人々を集めて、3人ひと組の国別対抗の綱引き大会を開催するとして、いずれの人もひとりが100㎏の力で綱を引けたとすると、普通に考えると100×3=300㎏が出せるはずですが、日本チームは300㎏には届きません。なぜなら「誰かがやってくれるだろう」という気持ちが心のどこかにあるからです。決して「サボって楽をしよう」と思っている訳ではないのに、依頼心があると全力が出せないのです。
 外国のチームもチームワークを重視しますが、特にアメリカではまず個々の能力を最大限に伸ばすことを考えて、その次に個々の能力をまとめることをチームワークと捉えています。各々は自分のベストを尽くすことがフォア・ザ・チームと考えているので、最低でも100×3=300㎏であり、場合によっては310㎏にも320㎏にもなります。

 日本は、個人の能力を伸ばすというプロセスをショートカットして、組織としての全体のパフォーマンスを上げることを重視する傾向がありますが、やはり個人あってのチームですので、個々のパフォーマンスを上げることが先ではないでしょうか?
 個性を無視した指導は、規格品のような画一的な選手とプレイをつくり上げます。しかし、人間はモノではありませんから、個性を無視して決められた枠にはめ込もうとする指導には心理的に抵抗します。その結果、無気力になってしまったり、そのチームやスポーツを辞めてしまう恐れがあります。


立花龍司著 「一流の指導力」より抜粋
(ishii morio)

by kamonomiyamini | 2014-06-23 20:22 | ishii morioの独り言

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