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> ディフェンス その9
「フロンティング」

 フロンティングとはインサイドのディナイの一種で、普段は半身になってディナイするところを、完全に前に出てしまってシャットアウトする方法です。
 半身のディナイでは、ケアしていない側にボールを入れられてしまうと(パスが入ってくる角度が変わると)即座にシュートを狙われてしまうデメリットがあります。
 フロンティングでは完全に前に出ることで、多少の角度の変更程度ではインサイドにボールを入れさせないメリットがあります。これは自分よりも背の高い相手やパワーのある相手には非常に有効で、相手はパスを入れるためにループを描くゆるいパスを出さなければならないというリスクを負います。カットされるリスクを恐れて、本来有利なはずの体格差を生かすことを諦めることもあるでしょう。
 こう言えばフロンティングは素晴らしいディフェンスのように思えるでしょうが、裏返して言えば、前に出ることで裏に入れられるというデメリットも背負っているのです。これを忘れてしまうと本当に相手のガードに技量があってチームに統制が取れていた場合、裏にパスを入れられて終わりということも考えられます。(本来裏をケアしてくれる人間がハイポストに連れ出されたり等)
 というわけで、フロンティングのときに忘れてはならないコツは、前に出た後に、背中で相手をゴール下方向に押し込むことです。裏に投げられるスペース自体を潰してしまうことで、パスを防いでしまおうというわけです。これはパワーが圧倒的に違う場合以外は有効です。たとえ1秒間に30cmも押し込むことが出来れば、それだけでスペースが減りますし、パスの精度もシビアにならざるを得ません。
 フロンティングをしてパスコースを消して安心してしまう人は、この習慣をしっかりつけるようにしてください。
 もう一つ、言うべき点があるとすれば、押し込みづらい相手に対しては、パッサーについている味方ディフェンスの協力も不可欠だということです。パッサーへのプレッシャーがきついものであれば、パスも自然と荒くなり、裏に投げられても簡単に点を取られるシチュエーションになりづらいものです。
 もし体格差があってフロンティングが厳しいものならば、自分のチームの選手にそういうコミュニケーションをとってみるのも大事なことです。
 バスケットのプレイは時間の前後にしても、場所の変化にしても、全て繋がっているものなのです。

(ishii morio)
by kamonomiyamini | 2012-07-25 21:47 | 技術

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